粉体塗装の再塗装（リコート）

粉体塗装の再塗装（リコート）は、目的やいくつかの注意点があります。この記事では、粉体塗装の再塗装について詳しく紹介していきます。

粉体塗装の再塗装（リコート）の目的とは？

粉体塗装は、粉状の塗料を被塗物に電気的に吸着させ、高温で焼き付ける方法です。金属やプラスチックなど、さまざまな素材に適用されます。

再塗装は、一度塗装して乾燥させた被塗物に対し、再び塗装作業を施すプロセスを指します。粉体塗装の業界では、この工程を「リコート」と呼ぶこともあります。

再塗装の主な目的は、被塗物の耐久性を高める、美観を向上させることです。また、初回の塗装で生じた損傷や欠陥を修正し、長期間にわたって製品の品質を維持するためにも、重要な役割を果たします。

粉体塗装の再塗装（リコート）に関する注意点

粉体塗装における再塗装は、一度塗装された被塗物を再び塗装する作業ですが、この際にいくつか注意すべき点があります。

• 除電対策の重要性
• リコート時の塗膜厚と作業性の問題
• 静電反発とその対策
• 粉体塗装のデメリットと対処法

それぞれ詳しく見ていきましょう。

除電対策の重要性

再塗装を行う際、被塗物に静電気がまとっていると、塗膜が上手く付着しない可能性があります。そのため、静電気の影響を極力抑えるために、以下の除電対策が推奨されます。

• アースを十分に取り除電する
• 除電装置の設置
• 時間を空けて自然放電を待つ
• 被塗物をアルコールで軽く拭く

これらの対策を適切に行うことで、再塗装時の品質問題を大幅に軽減できます。

リコート時の塗膜厚と作業性の問題

再塗装時は、塗膜の厚さが重要な要素となります。すでに塗布された被塗物への再塗装では、以下の点に注意してください。

• アース不良を避け適正なアースを実施する
• 1コート目と2コート目の両方で厚塗りを避ける（静電反発を引き起こす可能性があるため）
• 塗装条件を適切に設定
• 吐出量を増やす、エアー圧を適正化、塗装距離の再検討、電圧の低減

上記の注意点を考慮することで、作業性の良い再塗装過程を実現し、仕上がり品質の向上が期待できます。

静電反発とその対策

粉体塗装では、塗膜が厚くなると被塗物と反対の電荷が誘起され、塗着粒子の反発や仕上がりの不良（クレータの発生）を招くことがあります。この現象を「静電反発」と呼びますが、対策としては以下が挙げられます。

• 印加電圧を再塗装時に低く設定する
• 厚塗りを避ける
• フリーイオンを少なくするための塗装ガン、フリーイオン除去装置の使用

再塗装時は特に意識しておいてください。

粉体塗装のデメリットと対処法

粉体塗装は、ゆず肌の発生や色替えの難しさ、少量多品種に不向きであること、調色の難しさ、などのデメリットがあります。さらに、一度形成された塗膜への再塗装の難しさも、デメリットの一つです。

しかし、これらの問題は工夫や工法の変更で解消できる場合があります。粉体塗装の特性上、問題が起こりやすいものの、適切な対策を講じることで高品質な仕上がりが期待できます。

再塗装について粉体塗装業者に相談しよう！

粉体塗装の再塗装は、製品の品質と耐久性を維持するために欠かせないプロセスです。適切な除電対策、塗膜厚の管理、静電反発の防止など、さまざまな注意点をクリアすることで、成功することを理解しておきましょう。当サイトでは、粉体塗装の再塗装に関する専門的な知識やサポートを提供していますので、ぜひ参考にしてください。